臨床経験
子宮内病変に伴う慢性子宮内膜炎に対する子宮鏡手術の治療効果
黒田 恵司
1,2
K. Kuroda
1,2
1杉山産婦人科丸の内(院長)
2順天堂大学産婦人科学講座(非常勤講師)
pp.1057-1062
発行日 2023年10月1日
Published Date 2023/10/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000002710
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慢性子宮内膜炎は局所子宮内膜の持続的な炎症疾患で,妊娠において着床率を低下し流産率を上昇させる。慢性子宮内膜炎の原因の多くは子宮内感染のため,治療は原則ドキシサイクリンなどの広域スペクトラムの抗菌薬で,治療後は体外受精における妊娠成績が向上する。しかし,子宮内病変に伴う慢性子宮内膜炎のほとんどは抗菌薬を追加で投与しなくても子宮鏡手術のみで改善する。また,子宮鏡手術後にドキシサイクリンを投与すると子宮鏡手術による慢性子宮内膜炎の治癒率が低下する。つまり,子宮内病変に伴う慢性子宮内膜炎の多くがその病変に由来しており,非感染性慢性子宮内膜炎であることが考えられる。
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