今月の臨床 男性不妊をどうする
診療上の必須知識
1.精子の形態と精子形成
荒木 康久
1
,
荒木 重雄
2
1高度医療技術研究所
2自治医科大学産婦人科
pp.1150-1153
発行日 1997年11月10日
Published Date 1997/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409903078
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
精子の形態
精子の形は厳密にみるとさまざまな形態と大きさを有している.正確に形や大きさを知るには,塗抹・染色をして観察する必要がある.筆者らは簡便なディフクイック染色法を用い,Krugerのstrict criteriaに従い分類している1).精子の各部の形態は次のとおりである(図1).
精子頭部:精子には一般細胞にみられるような細胞質はほとんどない.ヒトの精子頭部は平面像で見ると小楕円形で,ほぼ前半部を先体に覆われ赤道帯は線状にみえる.頭部の内部は核(nucleus)である.精子核は受精の結果,母方の核と融合し個体発生が始まる.受精能獲得精子では先体の構造が破壊され,先体成分が放出される.
Copyright © 1997, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.