特集 図解 産婦人科医のための臨床遺伝学必修知識Ⅱ
6.がん遺伝子診断としてのリキッドバイオプシー
岩橋 尚幸
1
,
井箟 一彦
1
N. Iwahashi
1
,
K. Ino
1
1和歌山県立医科大学産科婦人科学教室
pp.909-914
発行日 2023年9月1日
Published Date 2023/9/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000002669
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近年のがん遺伝子解析の分野で急激に発展している手法として血液や体液を用いたリキッドバイオプシーが注目されており,経時的な検体採取によるリアルタイムな腫瘍特性を評価できる点が利点とされている。一方で,婦人科がんで臨床保険収載されているリキッドバイオプシーとして血液中循環腫瘍DNA(ctDNA)を用いたがん遺伝子パネル検査があるが,標準治療終了見込みの患者1人につき1回限りであり,初回治療時から実施できず,複数回のモニタリングはできないため,現行の運用ではリキッドバイオプシーの利点を最大限に活用できていない。今後のリキッドバイオプシーによる婦人科がんの個別化治療の実装のためには,症例蓄積によるさらなる検討が必要である。
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