増刊号 周産期診療のための病態生理
[産科編]
分娩のメカニズム
妊娠中の生理的な子宮収縮と切迫早産の子宮収縮の違いはどこまでわかっているか
高木 健次郎
1
,
小澤 利佳
2
,
阪口 百佳
2
TAKAGI Kenjiro
1
,
OZAWA Rika
2
,
SAKAGUCHI Momoka
2
1地域医療振興協会練馬光が丘病院産婦人科
2自治医科大学附属さいたま医療センター産婦人科
キーワード:
生理的子宮収縮
,
切迫早産
,
子宮頸管長
,
胎児陣痛図
Keyword:
生理的子宮収縮
,
切迫早産
,
子宮頸管長
,
胎児陣痛図
pp.74-76
発行日 2023年12月28日
Published Date 2023/12/28
DOI https://doi.org/10.24479/peri.0000001243
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妊娠中の子宮収縮は?
妊娠中に陣痛以外の子宮収縮があることを産科医療従事者に認識するよう初めて促したのは19世紀の英国の医師,John Braxton Hicks(1823~1897年)(図1)であった。古くから産科の教科書に生理的子宮収縮として,「Braxton Hicksの収縮」の名称で記載されている。教科書レベルでは,その詳細については記されていないと思われる。その内容は妊娠の第2・第3三半期までは,痛みの自覚を伴わない周期的な子宮収縮(偽陣痛/前駆陣痛)があると初めて報告した1)。また,このような子宮収縮は,分娩に備えた体の準備であるとも記載した。
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