臨床経験
非侵襲的な着床前染色体検査(niPGT)の有効性と臨床応用について
中野 達也
1
T. Nakano
1
1医療法人三慧会IVFなんばクリニック生殖技術部門(副技師長)
pp.525-532
発行日 2023年5月1日
Published Date 2023/5/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000002558
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現在,染色体異常による流産を回避するためにPGT-Aが盛んに行われるようになり,臨床妊娠率の増加や流産率の減少などの臨床効果が確認されている。しかし,従来の胚生検を伴うPGT-Aは胚への侵襲性であり,胚の着床能に負の影響が懸念される。近年では胚生検を必要としない方法が考案され,胞胚腔液や使用済みの培養液中のcell-free DNAを用いた非侵襲的なPGTの研究が盛んに行われている。しかし,胚生検のPGTとの一致率は報告によりばらつきがあり,DNA回収率の低さや母方由来など胚以外のDNAの混入が課題となっている。そのため,胚全体の染色体構成を正確に把握するためには,今後もさらなる研究が期待される。
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