臨床経験
培養上清中に含まれる遊離DNAを用いた非侵襲的着床前胚異数性検査(niPGT-A)の最適な培養液採取時期の検討
神田 晶子
1
,
後藤 香里
1
,
倉橋 浩樹
2
,
宇津宮 隆史
1
A. Kanda
1
,
K. Goto
1
,
H. Kurahashi
2
,
T. Utsunomiya
1
1セント・ルカ産婦人科
2藤田医科大学・医科学研究センター・分子遺伝学研究部門
pp.1085-1091
発行日 2024年10月1日
Published Date 2024/10/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000003118
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着床前胚異数性検査(PGT-A)は,胚盤胞の栄養外胚葉(TE)の細胞を一部採取して行う検査である。しかし,胚への侵襲がその後の胚発生に与える影響や,胚の染色体モザイクによる誤診断の可能性が懸念されている。近年,注目されている胚培養後の培養液上清中に含まれる遊離DNAを用いた非侵襲的着床前胚異数性検査(niPGT-A)について,まだTE生検との一致率が議論されているのが現状だが,今回,染色体情報がより詳細に得られるための最適な培養液採取時期を検討した。
受精確認日を1日目とし,4,5,6日目での培養液採取を検討したところ,6日目での回収がより高いDNA増幅率が得られ,胚由来のゲノムDNAは6日目で最も多く放出されていると考えられた。
また,4日目より毎日培養液の交換を行うことで偽陰性率やモザイク率を減らし,6日目でより胚に近い核型を示す傾向があった。
今後,niPGT-Aにおいてより安全で,より信頼できる方法の確立が求められる。
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