特集 生殖医療の保険適用の実際Ⅰ
総論
1.保険総論:生殖医療での留意点
宮﨑 亮一郎
1
R. Miyazaki
1
1キッコーマン総合病院産婦人科(センター長)
pp.457-462
発行日 2023年5月1日
Published Date 2023/5/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000002543
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少子化対策の1つとして掲げられ,時の総理大臣の肝煎りで,発言からわずか1年半で行われた不妊治療の保険化に関しては,短期間でかなりの点を網羅していると感心させられる。しかし,保険化の恩恵は,標準的な治療が有効である不妊症患者に対してであり,特殊な原因や治療,病態の不明なものに対しては有効とはいえず,また培養液や培養方法もおそらく日進月歩の状態であり,今後も解明が必要であり,それに応じた保険化,点数の増減も検討されなければならないものと考える。そして何よりこの保険化が少子化の歯止めの一因になったかの評価を忘れてはならない。
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