特集 子宮体がんup to date
5.子宮体癌のMolecular Pathologyと臨床応用
蜂須賀 一寿
1
,
加藤 聖子
1
K. Hachisuga
1
,
K. Kato
1
1九州大学病院産科婦人科
pp.1329-1335
発行日 2022年10月1日
Published Date 2022/10/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000002338
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子宮体癌はBokhmanの分類によって組織学的内分泌学的にtype 1とtype 2に分類され,臨床でも長く用いられてきた。それに対して2013年にTCGAより子宮体癌の網羅的ゲノム解析の結果が報告された。TCGAでは子宮体癌を4つのmolecular subtypeに分類しており,① POLE ultramutated group,② MSI-high group,③ copy number-low group,④ copy number-high groupと定義している。TCGAのmolecular subtypeはそれぞれ予後に相関しているが,TCGA approachの臨床応用にむけたsurrogate approachの代表例としてProMisEアルゴリズムが挙げられる。ProMisEアルゴリズムによるmolecular classificationと従来の組織病理学的評価に基づいたリスク分類は追加療法の推奨など実臨床へと今後応用されていくと考えられるが,どのような症例を対象とするかなど課題も多く,わが国においても今後さらなる研究が期待される。
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