特集 子宮体がんup to date
企画者のことば
三橋 暁
1
Akira Mistuhashi
1
1獨協医科大学産科婦人科主任教授(婦人科)
発行日 2022年10月1日
Published Date 2022/10/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000002332
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子宮体癌は,米国では女性のがんの4位を占め欧米では肥満との関連から近年増加傾向にあります。わが国でも生活習慣の変化からここ20年で急増し,日本産科婦人科学会婦人科腫瘍委員会の登録数も6倍以上増加しています。肥満・インスリン抵抗性・糖尿病は,子宮体癌の発がんリスクとして知られる一方で予後にも関連します。子宮体癌患者の死因は,長期的にはがん死より心血管性疾患による死亡が多いことも知られており,がんサバイバーの管理が重要な課題となっています。また,子宮体癌はホルモン依存性ですが,経口避妊薬(oral contraceptives;OC)/低用量ピル(low dose estrogen progestin;LEP)投与により発がんリスクが減少すること・術後のホルモン補充療法(hormone replacement therapy;HRT)のメリットなども報告されています。そのため,子宮体癌の予防や術後管理におけるホルモン療法の適切な使用法を熟知する必要があります。
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