今月の臨床 婦人科内分泌療法─病態の理解と正しい診断に基づく対処・治療のポイント
腫瘍・類腫瘍
3.子宮体癌の内分泌療法
保坂 昌芳
1
,
渡利 英道
1
,
櫻木 範明
1
1北海道大学医学部産婦人科学教室
pp.597-601
発行日 2011年4月10日
Published Date 2011/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409102656
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子宮体癌の主治療は手術療法であり,単純子宮全摘出術+両側付属器摘出術+骨盤・傍大動脈リンパ節郭清あるいは生検が推奨されている.摘出物病理所見に基づき進行期が決定され,再発リスクを勘案して再発中リスクあるいは高リスク症例に対して補助療法として化学療法あるいは放射線療法を施行する.子宮体癌に対する内分泌療法としては高用量黄体ホルモン療法が行われるが,初回治療として高用量黄体ホルモン療法が選択されるのは,妊孕性温存を強く希望する40歳未満の若年子宮体癌症例が中心となる.内分泌療法は再発症例に対しても選択される場合があり,手術療法,化学療法あるいは放射線療法が適応とならない場合でプロゲステロン受容体陽性例に用いられることがある.
本稿においては若年子宮体癌に対する妊孕性温存療法としての高用量黄体ホルモン療法について自験例を交えて解説する.
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