特集 多囊胞性卵巣症候群の最新知見―生涯にわたる健康管理を見据えて―
11.多囊胞性卵巣症候群の遺伝学的要因
齊藤 和毅
1
K. Saito
1
1東京医科歯科大学大学院茨城県小児周産期地域医療学講座
pp.981-985
発行日 2022年9月1日
Published Date 2022/9/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000002266
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多囊胞性卵巣症候群(PCOS)は遺伝と環境が発症にかかわる多因子疾患である。遺伝学的要因に関しては複数の遺伝子が複雑に関与するため,疾患原因遺伝子を特定することは困難である。古くは家系解析や双胎を対象とする研究から本症の遺伝的側面が明らかにされ,近年ではGWASによる疾患関連領域の探索と病態に基づいた候補遺伝子を対象とする症例対照研究により疾患感受性遺伝子の探索が行われている。今後本症の遺伝的背景を明らかにするためには,現在多囊胞性卵巣症候群として一括りにされている集団を臨床徴候などにより細分化し,そのうえで共通する原因を探索することが必要不可欠である。
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