特集 子宮収縮抑制薬の長期投与はやめられるのか?―切迫早産管理のエビデンスと実践―
4.切迫早産に対するカルシウム拮抗薬のエビデンス
小澤 克典
1
,
鈴木 朋
2
,
左合 治彦
1,2
K. Ozawa
1
,
H. Sago
2
,
T. Suzuki
1,2
1国立成育医療研究センター周産期・母性診療センター胎児診療科
2国立成育医療研究センター周産期・母性診療センター産科
pp.697-701
発行日 2022年7月1日
Published Date 2022/7/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000002197
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子宮収縮抑制を目的としたカルシウム拮抗薬(ニフェジピン)の投与は,48時間の妊娠期間の延長に有効とされている。投与方法としては,長時間作用型(L錠)のニフェジピン20mgを6~8時間ごとに内服する。利点は内服であることと,リトドリン塩酸塩と比較して妊婦の副作用が少ないことである。不利な点は日本では保険適用外使用であること,そして頭痛や低血圧,頻脈といった副作用が生じることである。カルシウム拮抗薬はほかの子宮収縮抑制薬と同様に,長期間の投与による妊娠期間の延長効果や新生児の合併症の減少効果は認められないため,投与対象は早産になる可能性の高い症例に限る必要がある。
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