特集 産婦人科 働き方改革へのロードマップ
7.法律家の立場から
水沼 直樹
1
N. Mizunuma
1
1東京神楽坂法律事務所(弁護士),東邦大学医学部・埼玉医科大学国際医療センター(非常勤講師)
pp.45-52
発行日 2022年1月1日
Published Date 2022/1/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000002019
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労働観は,国や時代,文化,宗教等によって様々であり,常に変化しつづけるが,応招義務を背景としたわが国の医師の労働観は,独特の美徳と職業使命感を醸造してきた。現在では,働き方改革の影響もあり,労働者のワーク・ライフ・バランスを確立することが求められ,労働環境の改善が少子化対策の一方策となっている。勤務医も労働者である以上,その視点を欠くことはできない。もっとも,医師は,専門的職務と公共的使命から,特別な労働環境におかれている。医師の過酷な労働環境は,当該医師にとって有害であるだけでなく,医療の受け手である国民全体にとっても有益とはいえない。
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