オピニオン・医療観察法の見直しに向けて
法律家の立場から
町野 朔
1
1上智大学法学研究科
pp.1049-1051
発行日 2008年11月15日
Published Date 2008/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405101309
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5年を目途とした検討
これまでにも,医療観察法の運用を実際に担当する精神医療の現場からは,鑑定入院に関する規定が明確でないこと2),身体合併症治療のために指定入院医療機関以外の病院に転院した入院者(100条3項)に,本法による行動の制限がなし得るか明らかでないこと,誤った診断を前提にした裁判所の決定が確定したときにも「再審」の規定がないことなど,多くの点が指摘されてきた。本稿は,「座学」の立場から,医療観察法における「入院による医療」とその手続きを中心に,医療法としての医療観察法の基本構造という観点から,若干のことを述べる。「入院によらない医療」,地域精神医療については,より複雑で困難な問題があると思われるが,それは別の機会に検討しなければならない。
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