臨床経験
子宮頸癌合併妊娠に対して妊娠中に術前化学療法を施行した4例の検討
田中 泰裕
1
,
小原 久典
1
,
菊地 範彦
1
,
浅香 亮一
1
,
安藤 大史
1
,
山田 靖
1
,
布施谷 千穂
1
,
宮本 強
1
,
塩沢 丹里
1
Y. Tanaka
1
,
H. Kobara
1
,
N. Kikuchi
1
,
R. Asaka
1
,
H. Ando
1
,
Y. Yamada
1
,
C. Fuseya
1
,
T. Miyamoto
1
,
T. Shiozawa
1
1信州大学医学部産科婦人科学教室
pp.1617-1624
発行日 2021年12月1日
Published Date 2021/12/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000001997
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
子宮頸癌合併妊娠では,癌の根治療法と妊娠の継続が相反するため治療法の選択に苦慮する。われわれは主治療開始を遅らせ妊娠期間を延長する目的で術前化学療法(NAC)を4例に施行した。平均年齢37歳,病期はⅠB1期からⅡA1期で,NAC開始妊娠週数は平均19.5週(15.4~23.6週)で,平均3コース(2~4コース)の化学療法を施行することができ,平均32.1週(31.2—33.3週)に分娩となった。NACの効果は,完全奏効1例,部分奏効1例,縮小後再増大の進行が1例であり,全例に帝王切開術と同時に広汎子宮全摘術を施行し,現在まで再発例はない。児の発育と発達は正常である。NACは児の生存に適した時期まで妊娠を延長するために有用な治療法と考えられた。
Copyright © 2021, KANEHARA SHUPPAN Co.LTD. All rights reserved.