症例
原発性腹膜癌と悪性リンパ腫との鑑別に腹腔鏡下組織生検が有用であった1例
成田 萌
1
,
北井 美穂
1
,
鈴木 一弘
1
,
中澤 浩志
1
,
澁谷 剛志
1
,
山本 香澄
1
,
矢野 紘子
1
,
長尾 昌二
1
,
山口 聡
1
M. Narita
1
,
M. Kitai
1
,
K. Suzuki
1
,
H. Nakazawa
1
,
T. Sibutani
1
,
K. Yamamoto
1
,
H. Yano
1
,
S. Nagao
1
,
S. Yamaguchi
1
1兵庫県立がんセンター婦人科
pp.1625-1631
発行日 2021年12月1日
Published Date 2021/12/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000001998
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症例は急速に増悪する腹部膨満症状を認めた49歳。癌性腹膜炎に類似した所見を認めるも確定診断が得られず,腹腔鏡下組織生検を行い悪性リンパ腫と診断した。リンパ腫細胞が腹膜や大網に広く浸潤した病態である腹膜リンパ腫症は稀な疾患だが,腹水や腹膜・大網播種など癌性腹膜炎によく似た所見を示すため,両者の鑑別は困難である。腹膜リンパ腫症を伴う悪性リンパ腫は侵攻性で予後不良であることが多く,早期診断と治療介入が非常に重要であり,本症例では侵襲の少ない腹腔鏡手術により早期診断ができたため報告する。
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