特集 私の手術・Ⅰ
子宮頸管縫縮術
石束 嘉男
1,2
Yoshio Ishizuka
1,2
1日本大学産科婦人科学教室
2厚生中央病院産婦人科
pp.467-471
発行日 1969年6月10日
Published Date 1969/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409204047
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はじめに
妊娠4カ月以降における流早産の原因のうち,cervical incompetencyは最も重要なものの一つであり,この頸管無力症と呼ばれる子宮頸部,特に内子宮口の異常は近年わが領域において特に注目を集めている。この子宮頸部異常と流早産の関係については,1950年Lash,A.らにより系統的に検索され,その後1955年には,Shirodkar,1957年にはMc Donaldによりそれぞれ特異な頸管縫縮術が考案されて以来,この方面における画期的な治療法として脚光をあびるに至つた。この手術は,現在ではすつかり研究しつくされた観があり,またその限界についてもかなりはつきりした見解が発表されている。すなわち,本手術はその適応と要約とを誤ることなく,さらにまた術後の管理を適切にして始めてその効果を発揮するものといえよう。また術式そのものもLash法はすでにその価値に疑問の点があり,ほとんど顧みられなくなつた現在,主としてShirodkar法およびMcDonald法が行なわれているが,これも種々なる変法を生みだすに至り,それぞれ一長一短あり,にわかに甲乙をつけがたいのが現状といえよう。
ここにShirodkar法およびMc Donald法について,私見を混えて「私の手術」として行なつてぎた方法を紹介することにする。
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