今月の臨床 安全な産科手術・処置をめざして
妊娠中の手術・処置における安全対策
子宮頸管縫縮術
大槻 克文
1
,
澤田 真紀
1
,
八鍬 恭子
1
,
安藤 智
1
,
小出 馨子
1
,
岡井 崇
1
1昭和大学病院総合周産期母子医療センター産科部門
pp.829-833
発行日 2005年6月10日
Published Date 2005/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409100341
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はじめに
従来,頸管縫縮術は,妊娠中期の流産または早産の既往を有し頸管無力症と診断される症例,円錐切除後の妊娠および妊娠中に円錐切除を行った症例などに対して予防的に行われることが多かった.一方,近年では経腟超音波の普及により,内診で頸管の開大が明らかになる前に頸管長が短縮している段階や胎胞が視認される状態での頸管縫縮術,すなわち治療的頸管縫縮術が行われるようになってきた.それに伴い,頸管縫縮術を施行するにあたり,その手術とそれに伴う処置に対する安全対策の必要性が高まっている.
ここでは,妊娠初期に行う「予防的頸管縫縮術」および中期以降の「治療的頸管縫縮術」に対する適応についてのわれわれの考え方と,それぞれの合併症および安全対策について記述する.
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