臨床経験
胎児超音波検査により肺低形成の評価を行った胎児両側性多囊胞性異形成腎(MCDK)の1例
加藤 麻耶
1,2
,
鳥谷部 邦明
1
,
古橋 芙美
1
,
二井 理文
1
,
吉田 健太
1
,
田中 博明
1
,
池田 智明
1
M. Kato
1,2
,
K. Toriyabe
1
,
F. Furuhashi
1
,
M. Nii
1
,
K. Yoshida
1
,
H. Tanaka
1
,
T. Ikeda
1
1三重大学医学部産科婦人科学教室
2三重中央医療センター産婦人科
pp.681-687
発行日 2021年6月1日
Published Date 2021/6/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000001759
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両側性の胎児多囊胞性異形成腎(MCDK)では羊水がほとんど産生されず,羊水過少による致死的な肺低形成が引き起こされる。今回,両側性のMCDKにより妊娠21週から羊水量の減少を認め,妊娠26週には羊水過少をきたした症例を経験した。胎児超音波検査による評価からも高度の肺低形成が推測されたが,妊娠39週まで妊娠継続を図る管理を行い,出生児は腹膜透析を受けながら1歳0カ月で人工換気および酸素投与が終了できた。致死的な肺低形成の症例において,胎児の未熟性を回避させる妊娠管理が出生児の生命予後によい影響を与える可能性がある。
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