症例
妊娠中に反復した症候性両側水腎症の治療に難渋した1例
大谷 遼子
1
,
北村 幸子
1
,
星本 泰文
1
,
金 共子
1
,
田代 結
2
,
石戸谷 哲
2
,
藤田 浩平
1
R. Otani
1
,
S. Kitamura
1
,
Y. Hoshimoto
1
,
T. Kim
1
,
Y. Tashiro
2
,
S. Ishitoya
2
,
K. Fujita
1
1大津赤十字病院産婦人科
2大津赤十字病院泌尿器科
pp.449-454
発行日 2023年4月1日
Published Date 2023/4/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000002534
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無症候性水腎症は多くの妊婦に生じるが,症候性水腎症となるのは稀である。症例は,22歳の初産婦,妊娠19週に発熱を伴う右水腎症を認め右尿管ステントを留置し,妊娠23週にも発熱を伴う左水腎症に左尿管ステントを留置した。妊娠28週には発熱を伴う両側水腎症を認め,左腎瘻造設術を要した。妊娠38週に経腟分娩に至った。分娩後の水腎症の再発は認めていない。症候性水腎症に対しては保存的治療が第一選択だが,妊娠週数が早い難治例には,尿管ステント留置が無効で腎瘻造設術を要する症例もあることを認識しておく必要がある。
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