特集 日本の周産期メンタルヘルス事情update
5.出生前診断と周産期メンタルヘルス
松岡 隆
1
R. Matsuoka
1
1昭和大学医学部産婦人科学講座
pp.607-613
発行日 2021年6月1日
Published Date 2021/6/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000001747
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人生とは選択の連続で,すべての選択は自由でありそれゆえ責任を伴い,尊重されるべきである。NIPTが2013年から導入され出生前検査の国民的関心が増し,その簡便さにより未認可施設での検査数が飛躍的に増加している。その結果,不十分な検査前カウンセリング・異常結果説明により現状は混沌としている。出生前検査の施行の是非を考えるステップを踏まずに,胎児異常を指摘された妊婦はとまどい・不安を感じながら様々な選択を迫られる。医療技術の進歩とインターネットによる情報過多の現代において,今,求められているのは出生前検査のリテラシーを向上することである。現在,厚生労働省においてNIPTなどの出生前検査に関する専門委員会が設置され,今後,出生前検査の適切なあり方や実施体制などが整備されることとなる。
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