特集 脳性麻痺と産科医療補償制度
患者家族からみた産科医療補償制度
H. C
pp.562-564
発行日 2018年7月15日
Published Date 2018/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401208931
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はじめに—待望の息子の誕生
私は結婚して半年で妊娠し,妊娠生活も順調でした.分娩先を予約した際に,事務の方から軽く説明された産科医療補償制度(以下,制度)の書類に何気なくサインしましたが,この後,まさか自分がこの制度を利用する側になるとは,全く考えたこともありませんでした.
通院していた個人クリニックの34週時の健診で,おなかが張りやすいことを相談したところ,「まだ大丈夫だと思うけど,取りあえずモニターしてみようか」と言われました.個室で一人,モニターをして20分くらいがたったころ,血相を変えた先生が部屋に入ってきて,「おなかの張りが強い.切迫早産の状態だから,今すぐ入院してもらいます」とおっしゃいました.この健診も何事もなく自宅に帰れるだろう,と思っていた矢先の突然の出来事に驚きましたが,その時は少し家事も休めるし,赤ちゃんは元気に生まれてくるだろうとしか思っていませんでした.
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