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連載 卒後研修講座
神経障害性疼痛の現況と今後の展望
The past and future of neuropathic pain
住谷 瑞穂
1,2
,
住谷 昌彦
2
M. Sumitani
1,2
,
M. Sumitani
2
1神尾記念病院
2東京大学医学部附属病院緩和ケア診療部
1Kamio Memorial Hospital
キーワード:
neuropathic pain
,
painDETECT
,
pharmacotherapy
Keyword:
neuropathic pain
,
painDETECT
,
pharmacotherapy
pp.257-262
発行日 2022年3月1日
Published Date 2022/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_seikei73_257
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は じ め に
神経障害性疼痛は「体性感覚神経系の病変や疾患によって起こる疼痛」と定義され,臨床的な特徴として自発痛に加え,アロディニア(allodynia:触刺激によって惹起される疼痛)や痛覚過敏(hyperalgesia:侵害受容に比して過大に疼痛が知覚される)を伴うことが多い.先進国では一般人口の約7%が神経障害性疼痛に罹患しており,さらに神経障害性疼痛は疼痛疾患のなかでもその重症度が高く罹病期間が長いため生活の質(QOL)の低下が著しい(表1)1).また本邦を筆頭に世界中で高齢化が加速しているが,中高齢者での神経障害性疼痛の罹患率は14%と高く2),特に,ロコモティブシンドロームと判定された患者では神経障害性疼痛の罹患率は25%以上に及び3),神経障害性疼痛が高齢者の歩容安定性に悪影響を与える独立した因子であることが示されている4).
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