特集 産婦人科医が知っておきたい性教育のポイント
1.晩婚化時代の性教育のあり方
遠見 才希子
1
S. Enmi
1
1筑波大学大学院社会精神保健学分野博士課程,産婦人科医
pp.1-6
発行日 2021年1月1日
Published Date 2021/1/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000001593
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
現代女性の生涯月経回数は約450回。昔と比べ月経との付き合いが長いからこそ,かかりつけ産婦人科医のもと低用量ピルや子宮内黄体ホルモン放出システム(IUS)を使用し,子宮内膜症の発症予防や効果的な避妊を行う選択肢は重要である。また将来若者たちが,知らなかったせいで後悔することがないよう適切な情報提供を行うことは大切である。しかし,いくら情報が得られても周囲の理解や利用可能な制度・選択肢がなければその知識を生かすことはできない。避妊や中絶など,性と生殖に関する健康と権利(SRHR)に関するサービスの提供体制や学校における性教育に関して,海外と日本は異なる点が多いことを踏まえたうえで性教育を行う必要がある。多様な選択肢を増やし自己決定を支援することは,女性にとっても,どんな性の人にとっても,生きやすい社会に変わることにつながる。
Copyright © 2021, KANEHARA SHUPPAN Co.LTD. All rights reserved.