特集 産婦人科医が知っておきたい性教育のポイント
企画者のことば
松村 謙臣
1
,
貫戸 明子
1
,
甲斐 冴
1
Noriomi Matsumura
1
,
Akiko Kanto
1
,
Sayaka Kai
1
1近畿大学医学部産科婦人科学教室
発行日 2021年1月1日
Published Date 2021/1/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000001592
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人間の性は,妊娠・出産のために必要であるのみならず,性感染症や子宮頸癌などの疾患にも関連し,さらに,多様な心理的・社会的側面ももちます。諸外国では幼児期から性教育を開始することがスタンダードとなっているのと比較して,日本は性教育後進国となってしまっています。一方で,日本のアダルトコンテンツは異常なほど豊富となっており,アダルトコンテンツをお手本に現実でもファンタジーの内容を「普通のこと」として実践してしまうため,相手との関係性がうまく作れない場合が多々あります。そして,感染症や妊娠については「お手本」には出てこないため,自分がやっていることの危険性や犯罪意識もないケースもあります。このような性に対する歪んだ認識は,日本社会全体に深刻な影響を与えており,早期から性教育を通じて子どもに性に関する正しい知識を伝えることの重要性は明らかです。
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