特集 現代の更年期
更年期障害とその特徴
女性の社会進出と晩婚化に伴う婦人科疾患の動向―経口避妊薬による健康管理
野崎 雅裕
1
1公立学校共済組合九州中央病院
pp.105-108
発行日 2010年2月15日
Published Date 2010/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401101728
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現代女性の健康リスク
日本人女性におけるライフサイクルの変化は,初産年齢の高齢化と出産回数の減少において著明であり,必然的に初経から閉経に至る間の月経回数も明らかに増加した(図1)1).このライフサイクルの変化がもたらした健康リスクを表1にまとめた2~5).いずれの疾患も生命予後を左右するようなリスクは低いが,就労女性が増加している社会環境では,女性の日常生活におけるQOLを著しく低下させる要因となっていることは明らかである.また,晩婚化に伴い,40代周辺は卵巣機能の低下が始まる一方で,依然として妊孕性も有しており,性成熟期における様々な疾患の治療から,避妊,退行期疾患の予防など,個々の症例において対応に苦慮することも多い年代である.
平成16年度厚労省人口動態統計(図2)では,40~44歳の人工妊娠中絶が人口千人対約5人,45歳以上の件数も依然として報告されている6).さらに,女性の40代は来るべき更年期への準備段階であり,高血圧,脂質異常症,骨量減少もすでに始まっていることも常に念頭に置いておく必要がある.
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