特集 「食育」の時代へ
フードファディズム時代の食教育のあり方
高橋 久仁子
1
1群馬大学教育学部家政教育講座
pp.350-353
発行日 2006年5月1日
Published Date 2006/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401100294
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健康に配慮した食生活とは,必要なエネルギーや栄養素を過不足なく摂取するものである.現実の食事で考えるなら「米飯,汁,肉か魚の一皿,野菜の一皿」あるいは「主食としての穀類,主菜としての動物性食品,副菜としての植物性食品」をそろえる,となる.
煮る,焼く,炒めるなど,簡素な方法で生鮮食品を調理した,食材そのものが判別できるような食事を,適度な量で食べることが基本となる.そして季節や各人の生理的状況,嗜好に応じて,柔軟に食べることを楽しみたい.
しかしながら,健康に関連する食の情報がマスメディアや食品産業から多々発せられる昨今,体に「良い」も「悪い」も娯楽番組や娯楽情報の材料,あるいは「売らんかな主義」の格好の餌食と化している.食の教育や食事指導が,ともすれば混乱させられている.
本稿では,巷にあふれる食の情報の問題性をフードファディズムをキーワードに概観し,地道な食教育推進のための留意点を考察した.
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