特集 発生から紐解く 胎児超音波診断アトラス [Web動画付]
第3章 胎児心臓の超音波検査
2.流出路異常
-f.総動脈幹症
加藤 愛章
1
Y. Kato
1
1国立循環器病研究センター小児循環器内科
pp.1369-1374
発行日 2020年11月30日
Published Date 2020/11/30
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000001502
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総動脈幹症(truncus arteriosus;TA)は流出路の発生異常により左右両心室から1本の血管(総動脈幹)が起始し,それより体循環,肺循環,冠循環へ血液が流れるチアノーゼ性心疾患である。先天性心疾患の1〜4%と稀な疾患で,発生頻度に男女差はない。生後早期に肺血流が増加し,心不全が進行するために早期に介入が必要であり,胎児診断は重要である。22q11.2欠失症候群などの染色体異常に合併することが多く,総動脈幹症が疑われる場合には,全身疾患を想定したほかの病変の検索が必要である。
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