特集 発生から紐解く 胎児超音波診断アトラス [Web動画付]
第3章 胎児心臓の超音波検査
2.流出路異常
-e.大動脈縮窄,大動脈弓離断
加藤 愛章
1
Y. Kato
1
1国立循環器病研究センター小児循環器内科
pp.1362-1368
発行日 2020年11月30日
Published Date 2020/11/30
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000001501
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大動脈縮窄(coarctation of aorta;CoA)は大動脈峡部から下行大動脈への移行部が狭窄し血流が減少している疾患であり,一方で大動脈弓離断(interruption of the aortic arch;IAA)は大動脈弓の一部が離断し血流が途絶えている疾患である。この2疾患は共通点は多いが,基本的に別の疾患として扱われる。心室中隔欠損(ventricular septal defect;VSD)をはじめとする様々な心内合併病変を伴う複合型が多いが,CoAでは単独例(単純型)も半数程度みられる。狭窄が高度のCoA,IAAは下半身への血流を維持するのに動脈管の開存が必要(動脈管依存性体循環)であるため,生後早期に介入が必要となる。CoAは比較的頻度の高い疾患ではあるが,特有の発症機序から,胎児期に必ずしも異常所見がないこともあり,胎児診断が困難な疾患の1つである。
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