特集 内膜を極めるⅠ―内膜の機能と着床をめぐる最近の話題―
10.子宮内膜蠕動運動と着床
中島 章
1
A. Nakashima
1
1杏月会空の森クリニック
pp.1087-1091
発行日 2020年10月1日
Published Date 2020/10/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000001423
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月経周期により子宮の運動が変化することは以前より知られている。今回,cine MRIを使用しその変化を解析した。月経時期は子宮筋層全体が連動して子宮底部から子宮頸部方向へ蠕動し,排卵時期は内膜直下の筋層が子宮頸部から子宮底部方向へ頻回に蠕動し,黄体期はこれらの頻度が低下する。これらの異常は不妊の原因となる可能性が指摘されている。子宮筋腫を有する不妊症例や原因不明不妊の精査としてcine MRI検査の有用性が報告されており,その蠕動の評価から治療方法を検討することで,妊娠率が向上していくことを期待したい。
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