症例
子宮鏡検査が診断の一助となった卵管癌肉腫の1例
佐藤 朝臣
1
,
山中 良彦
1
,
西本 昌司
1
,
沖野 毅
2
A. Sato
1
,
Y. Yamanaka
1
,
M. Nishimoto
1
,
T. Okino
2
1神戸赤十字病院婦人科
2同病院病理科
pp.1019-1024
発行日 2020年9月1日
Published Date 2020/9/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000001399
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卵管癌肉腫は,90例あまりが報告されているにすぎない極めて稀な悪性腫瘍である。今回われわれは,原因不詳の不正性器出血例に対し子宮鏡検査で卵管から子宮腔内に血液の流入を認めたことから卵管腫瘍を疑って手術を施行,卵管癌肉腫Ⅰa期の診断に至り,術後パクリタキセル+カルボプラチン療法を追加し10年生存に至った症例を経験した。卵管癌肉腫は卵管癌と比較し予後不良であるが,病巣が卵管に限局したⅠ期症例は,比較的予後良好で,卵巣癌に準じての基本術式+プラチナ製剤を軸とした化学療法が予後改善に寄与する。
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