診療
当院での再発卵巣癌におけるPARP阻害薬(オラパリブ)の使用経験について
-―治療効果を予測する因子を中心に―
鶴田 智彦
1
,
松宮 寛子
1
,
黒須 博之
1
,
山田 竜太郎
1
,
蓑輪 郁
1
,
見延 進一郎
1
,
藤堂 幸治
1
,
加藤 秀則
1
T. Tsuruta
1
,
H. Matsumiya
1
,
H. Kurosu
1
,
R. Yamada
1
,
K. Minowa
1
,
S. Minobe
1
,
Y. Todo
1
,
H. Kato
1
1北海道がんセンター婦人科
pp.1001-1006
発行日 2020年9月1日
Published Date 2020/9/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000001394
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PARP阻害薬(オラパリブ)は,「白金系抗悪性腫瘍剤感受性の再発卵巣癌における維持療法」を効能効果として2018年4月に保険適用となった。ベバシズマブとの使い分けを含め臨床上選択肢が増え,悩ましい症例が少なからず存在する。そこで,当院においてオラパリブが投与された再発卵巣癌34例の後方視的検討を行い,オラパリブの腫瘍学的効果および治療効果を予測する因子を検討した。その結果,再発腫瘍のプラチナ感受性の有無,ならびにオラパリブ投与直前の画像による効果判定がCR/PRかつCA125値35未満が,オラパリブの治療効果予測に有用である(長期投与が可能である)ことが示された。またプラチナ製剤抵抗性症例,プラチナ製剤アレルギー既往例,あるいはオラパリブ投与直前の画像評価にてSD症例やCA125値が基準値を超える症例は治療効果が乏しい結果となった。これらを考慮し診療をしていくことが肝要であると考えられた。
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