特集 子宮頸がん予防—日本はどうする?—
9.HPVワクチン接種プログラムの効果
-—子宮頸がんの根絶に向けた世界の動き—
シャロン ハンリー
1
Sharon J. B. Hanley
1
1北海道大学大学院医学研究院産婦人科学講座(特任講師)
pp.251-256
発行日 2020年3月1日
Published Date 2020/3/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000001211
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子宮頸がんは予防可能ながんで,早期発見・治療により高い確率で治癒が可能であるにもかかわらず,世界的には必ずしも根絶の方向に向かっているとはいいがたい。こうした認識のもと,WHOは2019年に子宮頸がん根絶に向けた世界的な戦略を決定した。本稿では,WHO戦略の概要と,子宮頸がんの根絶に向かっている国々の事例を紹介するとともに,HPVワクチン接種へのためらいなどその障壁となる課題にも触れながら,HPVワクチン接種プログラムの国際的な状況について解説する。現状では,子宮頸がんの撲滅からはほど遠い日本においても,効果や安全性について世界的なコンセンサスを得ているHPVワクチン接種の積極的勧奨再開などWHO戦略の実践によりその根絶に向かうことが可能となるだろう。
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