特集 子宮頸がん予防—日本はどうする?—
2.子宮頸がん予防教育の現状と課題
川名 敬
1
K. Kawana
1
1日本大学医学部産婦人科学系産婦人科学分野(主任教授)
pp.207-212
発行日 2020年3月1日
Published Date 2020/3/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000001204
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
HPVワクチンが事実上接種中止状態となっているのは日本だけである。それには様々な要因があるが,最も根本的な日本の問題は,予防医学に対する日本人の意識の低さである。予防接種,がん検診はすべて疾病予防の概念に基づき,健康な市民が公衆衛生上,受けるべき医療行為であるが,そのことを学校においてまったくといってよいくらい教育していない。HPVワクチンは予防接種とがん予防の両方が重なったものであり,学校における教育の有無は,HPVワクチン接種の普及に大きく影響する。本稿では,HPVワクチンの事実上の中止について,学校教育の側面からHPVワクチン普及のための一手を探りたい。
Copyright © 2020, KANEHARA SHUPPAN Co.LTD. All rights reserved.