特集 妊産婦死亡をどう防ぐかⅠ
各論
7.敗血症
浅井 信博
1,2
,
小泉 祐介
1,2
,
塩田 有史
2
,
山岸 由佳
1,2
,
三鴨 廣繁
1,2
N. Asai
1,2
,
Y. Koizumi
1,2
,
A. Shiota
2
,
Y. Yamagishi
1,2
,
H. Mikamo
1,2
1愛知医科大学感染症科
2同 大学感染制御部
pp.1449-1454
発行日 2019年11月1日
Published Date 2019/11/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000001089
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妊産婦の敗血症の頻度は高いものではないが,いったん発症すると重症例が多い。敗血症はその定義の変遷,ガイドラインの作成など,診療は劇的な変貌を遂げているが,妊産婦敗血症に関しては取り残されている。現在の敗血症ガイドラインは妊産婦を特別な対象とはしていない。quick SOFA,SOFAスコアによる敗血症スクリーニングも妊産婦には有効とは言いがたい。妊産婦は生理学的な変化に伴い血行動態や免疫機構が異なるため,非妊産婦と同様の対応では敗血症を見逃がされやすく,重症化しやすい。妊産婦敗血症を見逃さず,早期診断・治療するために妊産婦に特化した敗血症診療を再考する必要がある。
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