特集 腸内細菌を学ぶ
腸内細菌と敗血症
山岸 由佳
1
Yuka Yamagishi
1
1高知大学医学部臨床感染症学講座
pp.204-208
発行日 2023年2月25日
Published Date 2023/2/25
DOI https://doi.org/10.24479/ps.0000000367
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敗血症は,「感染症に対する調節不全の生体反応を原因とする致死的臓器不全」1)で,「感染症に対する制御不能な宿主反応に起因した生命を脅かす臓器障害であり,その病態は高サイトカイン血症」とされている1)。2019年から世界的に流行中のSARS-CoV-2感染症(COVID-19)では,共生微生物における細菌の多様性の低下と,日和見病原体の増加がみられることが報告されており3),重症化の主な機序は,血管内皮細胞障害から起こる臓器不全であり,サイトカインストームの関与の可能性が指摘されている。敗血症の病態を紐解くと高サイトカイン血症に行き着き,COVID-19とはまさにSARS-CoV-2を原因とした敗血症の病態であるといえる。
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