特集 妊産婦死亡をどう防ぐかⅠ
各論
5.妊産婦脳卒中
大野 泰正
1
Y. Ohno
1
1大野レディスクリニック(院長)
pp.1433-1438
発行日 2019年11月1日
Published Date 2019/11/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000001087
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妊産婦脳卒中を含む妊娠高血圧症候群は,世界およびわが国における妊産婦死亡原因の第2位である。わが国における全国悉皆調査では,出血性脳卒中が虚血性脳卒中よりも多く,死亡率も高かった。実は脳卒中であったにもかかわらず子癇と判断されたがゆえに,適切な搬送や管理がなされなかった症例が存在する。妊産婦に痙攣や意識障害を認めた場合,安易に子癇と判断せず脳卒中などとの鑑別診断が重要である。脳卒中を認めた場合は,脳神経外科などとの連携が重要となる。2013年に発足した「妊産婦脳卒中に関する合同委員会」は,産婦人科と脳神経外科との間でのガイドライン作成相互協力,基幹学会合同企画を通じて,学会間連携を着実に進めている。
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