症例
一過性大腿骨頭萎縮症により両側大腿骨頭骨折を生じた双胎妊娠の1例
東山 希実
1
,
大須賀 拓真
1
,
徳重 悠
1
,
中村 彩加
1
,
小林 史昌
1
,
吉水 美嶺
1
,
中川 江里子
1
,
芦原 隆仁
1
,
野々垣 多加史
1
N. Higashiyama
1
,
T. Ohsuga
1
,
Y. Tokushige
1
,
A. Nakamura
1
,
F. Kobayashi
1
,
M. Yoshimizu
1
,
E. Nakagawa
1
,
T. Ashihara
1
,
T. Nonogaki
1
1大阪赤十字病院産婦人科
pp.1293-1296
発行日 2019年9月1日
Published Date 2019/9/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000001044
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妊娠後期に一過性大腿骨頭萎縮症(TOH)を背景として両側大腿骨頭骨折に至った症例を経験した。症例は39歳初産婦で,双胎妊娠であった。妊娠29週から右股関節痛が出現し杖歩行となり,妊娠33週に転倒後,右臀部痛と下肢痛で歩行困難となった。妊娠37週で緊急帝王切開術にて分娩したが,股関節可動域制限と股関節痛が持続した。MRIで右側にTOHを背景とした右大腿骨頭骨折,左側には大腿骨頭不全骨折の所見を認めた。産後3週間で両側観血的骨接合術を施行した。術後経過は良好で,術後9カ月で歩行可能となった。妊娠後期の股関節痛は本疾患を念頭に置き,検査,診断を進めることが肝要である。
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