症例
帝王切開術中に肺高血圧に起因すると考えられる心停止をきたし,のちに全身性エリテマトーデスと診断された双胎妊娠の1例
番匠 里紗
1
,
小髙 晃嗣
1
,
平田 智子
1
,
小山 美佳
1
,
中澤 浩志
1
,
河合 清日
1
,
中山 朋子
1
,
中務 日出輝
1
,
水谷 靖司
1
R. Banjo
1
,
K. Odaka
1
,
T. Hirata
1
,
M. Koyama
1
,
H. Nakazawa
1
,
S. Kawai
1
,
T. Nakayama
1
,
H. Nakatsukasa
1
,
Y. Mizutani
1
1姫路赤十字病院産婦人科
pp.1187-1191
発行日 2019年8月1日
Published Date 2019/8/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000001014
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34歳。20代で関節炎,心膜炎,紫斑病の既往。3妊1産。今回,二絨毛膜二羊膜双胎妊娠で,36週1日に前期破水をきたし,分娩進行のため同日に脊髄くも膜下麻酔で緊急帝王切開術施行。第2児娩出直後,意識消失,総頸動脈触知不能となり,無脈性電気活動(PEA)と診断。胸骨圧迫およびアドレナリン投与により,心拍再開し蘇生しえた。術後の検討により,心停止は肺高血圧に起因した可能性が高いと考えられた。当初は特発性肺動脈性肺高血圧症と診断して治療を行っていたが,約1年が経過した時点で全身性エリテマトーデスと診断され,肺高血圧症が先行した膠原病合併妊娠であったものと考えられた。
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