特集 異所性妊娠を考える
7.腹膜妊娠
馬淵 泰士
1
,
太田 菜美
1
,
井箟 一彦
1
Y. Mabuchi
1
,
N. Ota
1
,
K. Ino
1
1和歌山県立医科大学産婦人科
pp.1021-1024
発行日 2019年7月1日
Published Date 2019/7/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000000971
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腹膜妊娠は,受精卵が腹膜面に着床し発育する状態をいう。頻度は全異所性妊娠の0.4~2%といわれる。腹膜妊娠の術前診断には超音波検査やMRIが用いられるが非常に診断困難であり,結局は開腹あるいは腹腔鏡所見で診断されることが多い。本症の治療は外科的切除が基本である。近年,腹膜妊娠に対する腹腔鏡下手術に関する報告が増加傾向にある。この手技は,腹腔内の観察が開腹手術よりも詳細かつ広範囲にできること,またカメラを用いた拡大視により病巣が過不足なく切除できる可能性がメリットとして考えられる。腹腔妊娠に対する薬物療法としては,メトトレキサートの全身投与や羊水腔内投与が報告されている。
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