特集 On Fleek 産婦人科手術
Ⅱ.周産期
4.後産期出血止血術
牧野 真太郎
1
Makino Shintaro
1
1順天堂大学産婦人科
pp.1377-1383
発行日 2018年10月31日
Published Date 2018/10/31
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000000633
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産科出血は大量となり,急速にショックに陥るため,原因検索とともに確実な止血と全身管理が大切である。子宮出血の止血法には,タンポナーデ,動脈結紮術,動脈塞栓術,子宮圧迫縫合法があるが,止血成功率は80%程度で変わらない。そのため,できるだけ子宮を温存する止血法,術式を選択する。骨盤内の解剖や血管の走行を熟知し,動脈結紮術や子宮全摘が速やかに施行できるようにしておく。播種性血管内凝固症候群(DIC)の状態での子宮全摘のリスクを理解し,十分な凝固因子の補充を行う。画像下治療(interventional radiology;IVR)の技術の進歩により,産科出血の管理方法も変化してきており,緊急出血時にはバイタルサインの改善のために大動脈バルーンカテーテルが有効であり,救急医との連携を行う。
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