連載 教訓的症例から学ぶ産婦人科診療のピットフォール
経腟分娩後にDIC型後産期出血および子宮動脈の破綻をきたした症例─産科危機的出血の原因,IVRの適応について
山田 恭子
1
,
藤本 俊郎
1
1苫小牧市立病院産婦人科
pp.1098-1101
発行日 2017年11月10日
Published Date 2017/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409209196
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はじめに
分娩時に母体生命を脅かす大量出血は妊産婦300人に1人の割合で発症する.2010年に「産科危機的出血の対応ガイドライン」が策定され,2017年に「産科危機的出血の治療指針2017」として改定された.産科危機的出血宣言後,RCC/FFPを投与開始し,出血の原因検索・子宮圧迫縫合・interventional radiology(IVR)・子宮摘出などを検討するプロトコールになっている.しかしながら,急速に進行したDIC発症後の原因検索は容易ではないことも多い.
今回,「弛緩出血および子宮頸管裂傷」の診断で一次施設から搬送となり,最終的に子宮動脈塞栓術が必要であった症例を経験したので,産科危機的出血に対するIVRの適応と併せて報告する.
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