特集 HPVワクチンを改めて考える―接種勧奨の再開に向けて―
8.新たなHPVワクチンの現状
-―日本と海外の比較―
川名 敬
1
K. Kawana
1
1日本大学医学部産婦人科学系産婦人科学分野(教授)
pp.987-992
発行日 2018年9月1日
Published Date 2018/9/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000000550
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
ヒトパピローマウイルス(HPV)(予防)ワクチンは,子宮頸がん前がん病変(CIN2-3),HPV関連がんの発生率を低下させることが国内外で示されている。HPVワクチンでカバーしているHPV感染については確実に予防できることが証明された。そこで,HPV16/18やHPV6/11に加え,子宮頸がんの原因となる頻度が高い5つのハイリスクHPV(HPV31,33,45,52,58)に対しても,同様のワクチン抗原を用いた9価HPVワクチンが開発された。一部の先進国では,9価HPVワクチンが定期接種ワクチンとして,標準化されつつある。また,ワクチン接種の機会を逃した女性がCINを発症した場合の治療ワクチン(CIN治療薬)の開発も進んでいる。本稿ではこのような新しいHPVワクチン事情を紹介したい。
Copyright © 2018, KANEHARA SHUPPAN Co.LTD. All rights reserved.