特集 HPVワクチンを改めて考える―接種勧奨の再開に向けて―
9.HPVワクチンの安全性とWHO声明
今野 良
1
R. Konno
1
1自治医科大学附属さいたま医療センター(教授)
pp.993-1001
発行日 2018年9月1日
Published Date 2018/9/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000000551
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WHO GACVSの安全性声明は,2013年6月以降,日本に発し,世界に拡大した安全性の課題解決のために,逐一,科学的に説明を行ってきた。しかし,現在ではWHO安全性声明やポジションペーパーと日本とのギャップが大きく拡大している。今後,国内では接種再開とともに以下の課題を早急に解決する必要がある。接種機会を逸した対象には,対象年齢を延長する施策が望まれる。これまでに接種をしなかった,あるいは,接種を終えていない26歳までの女性に接種が推奨される。国が積極的勧奨を再開しても,国民・保護者の不安が簡単に拭えるものではない。国・自治体の担当者,医師・医療従事者などからの適切でわかりやすい説明が提供されるべきである。メディアの適切な取り上げ方も期待される。
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