特集 PIHからHDPへ―妊娠高血圧症候群up to date―
4. 妊娠初期における妊娠高血圧腎症の発症予知と予防
大口 昭英
1
A. Okuchi
1
1自治医科大学産科婦人科学講座
pp.613-616
発行日 2018年6月1日
Published Date 2018/6/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000000456
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母体因子(年齢,身長,人種,慢性高血圧,SLEまたは抗リン脂質抗体症候群,ART,喫煙,母親の妊娠高血圧腎症(PE),既往PE,前回の妊娠との期間),妊娠初期の平均血圧,平均子宮動脈PI,および血清PlGFを使うことで,早産PE(妊娠37週未満で分娩となるPE)を10%の疑陽性率,75%の感度で予知する方法が開発された。この方法を用いて選択した高リスク妊婦に対して,低用量アスピリン投与の無作為化試験を行い,早産PEを62%減少させ,また,任意34週未満で分娩となる早発型PEを80%減少させた。PEは,妊娠初期に予知し,そして,予防できる時代になった。
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