症例
オウム病による国内初の妊産婦死亡例
清水 可奈子
1,2
,
西島 浩二
3
,
河原 和美
1
,
坂野 陽通
4
,
吉村 芳修
5
,
柳原 格
5
,
今村 好章
6
,
黒川 哲司
3
,
吉田 好雄
3
K. Shimizu
1,2
,
K. Nishijima
3
,
K. Kawahara
1
,
H. Banno
4
,
M. Yoshimura
5
,
I. Yanagihara
5
,
Y. Imamura
6
,
T. Kurokawa
3
,
Y. Yoshida
3
1舞鶴共済病院産婦人科
2福井愛育病院産婦人科
3福井大学医学部産科婦人科
4石川県立中央病院産婦人科
5大阪府立病院機構大阪母子医療センター研究所免疫部門
6福井大学医学部附属病院病理診断科/病理部
pp.445-450
発行日 2018年4月1日
Published Date 2018/4/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000000409
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オウム病はChlamydia(Chlamydophila)psittaciによる動物由来感染症であり,主に鳥類から感染する。インフルエンザ様症状をきたす軽症例から,播種性血管内凝固症候群(DIC)や多臓器不全などをきたす重症例まで臨床像は多様であり,死亡例の報告もある。妊娠中に発症したオウム病は海外から15例報告されており,母体死亡1例を含めいずれも重症例で,生児が得られたのは4例のみであった。今回国内初の妊娠オウム病症例を経験した。当初は病原菌を特定できないまま,子宮内胎児死亡,妊産婦死亡に至った。妊婦はオウム病のハイリスクであると認識し,妊娠中は鳥類や家畜との不必要な接触を避けるように,啓蒙,指導することが重要である。
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