特集 骨盤臓器脱の治療法up to date
総論
1.骨盤臓器脱の治療法
古山 将康
1
M. Koyama
1
1大阪市立大学大学院医学研究科女性生涯医学講座
pp.121-126
発行日 2018年2月1日
Published Date 2018/2/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000000333
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高齢社会では骨盤臓器脱による治療のニーズが高まっている。付随症状の下部尿路症状や排便障害,性交障害による生活の質(QOL)低下が問題となる。骨盤臓器脱は的確な診断に基づいて患者のライフスタイルに合わせた治療が必要である。軽症の骨盤臓器脱には骨盤底筋トレーニングやペッサリーによる保存的治療が有効であるが,重症例には手術療法を施行する。腟支持機構の3区画に対応する術式を考慮する。人工物(合成メッシュ)を用いない経腟手術が基本となるが,難治症例,再発症例には人工物の使用も必要となる。メッシュ合併症のため米国食品医薬品局(FDA)のアラートを受けて世界的には経腟手術は減少し,腹式(鏡視下)仙骨腟固定術が増加しつつある。
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