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周産期領域 GQ-4 分娩誘発における効果的な器械的頸管熟化処置は?
桑原 慶充
1
1日本医科大学女性診療科・産科
pp.1333-1341
発行日 2017年10月31日
Published Date 2017/10/31
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000000169
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わが国では頸管熟化目的でのプロスタグランジン製剤の経腟的投与が未承認であり,吸湿性頸管拡張材および材質や用法の異なる様々なメトロイリンテルを用いた器械的頸管熟化法が行われている。頸管熟化は頸管構造の大部分を占める細胞外マトリックスのリモデリングであり,局所の構成細胞や遊走細胞が関与し,炎症カスケードのなかで進行する。頸管熟化の分子メカニズムに基づいて器械的頸管熟化処置の作用機序をとらえることにより,内診所見にあった頸管熟化処置の選択・使用方法がみえてくる。なお,わが国で行われている器械的頸管熟化処置は,いずれも効果と安全性についての検証が不十分であり,施行にあたっては,コンセンサスに基づいて作成された産科婦人科診療ガイドラインの遵守が求められる。
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