原著
消化器癌からの転移性卵巣腫瘍
大塚 伊佐夫
1
,
松浦 拓人
1
,
末光 徳匡
1
1亀田総合病院産婦人科
pp.1277-1282
発行日 2017年10月1日
Published Date 2017/10/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000000150
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卵巣腫瘍が原発か転移かを治療前に鑑別することは,治療法の選択や予後の予測に重要である。消化器癌からの転移性卵巣腫瘍27 例の検討では,原発部位は大腸が最多で,胃,虫垂の順であった。年齢の中央値は大腸原発が54 歳,胃原発が37 歳で,片側卵巣腫瘍は大腸原発で75%,胃原発で44%にみられた。卵巣腫瘍切除を17 例に施行し,術後生存期間の中央値は大腸原発10 例では21 カ月,胃原発5 例では17 カ月で,腹膜播種のない大腸原発3 例では37 カ月であった。転移性卵巣腫瘍は片側性で原発性卵巣癌に類似した所見を呈することもあり,鑑別には術前の消化器検索が重要である。
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