診療
男性型脱毛症(AGA)に対するフィナステリド/デュタステリド内服は造精機能を障害する
大橋 正和
1
,
野中 昭一
1
,
松島 将史
1
,
吉田 宏之
2
,
与那嶺 正行
2
,
竹本 崇史
2
,
呉屋 憲一
2
,
宇都 博文
2
,
杉山 武
2
,
北村 誠司
3
1荻窪病院泌尿器科
2同 産婦人科
3同 虹クリニック
pp.1283-1289
発行日 2017年10月1日
Published Date 2017/10/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000000151
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男性型脱毛症(AGA)に対するフィナステリド/デュタステリド(以下本剤)は,テストテスロン→ジヒドロテストステロン(DHT)の合成を抑制し頭髪の成長を促進する。われわれは本剤を内服していた男性不妊患者11 例を経験した。初診時(本剤内服中)は,11 例全例でホルモン値(LH,FSH,テストテスロン)は基準値内であったが,11 例中6 例で精液所見が低下していた。3 カ月本剤を中止させたところ,11 例全例でホルモン値は基準値内のままであったが,低下していた6 例全例の精液所見が基準値以上に回復した。本剤内服による造精機能障害の原因は,本剤の「男性生殖器への直接作用」,「ホルモン調節機構を動かしての作用」が考えられるが,詳細は不明である。生殖医療従事者は夫の薬歴を注意深く聴取し,本剤内服者に対しては本剤内服をただちに中止させるべきである。
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